採集圧ってどうなの?
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2019年 05月 04日
2005年に採集業に入りましたが、当時は東南アジアに行って草ひっぺ剥がして生計を立ててる人って日本人とわずかな現地の方々でした。有名な産地ですと採集痕があったり目立ったりはしましたが、取り過ぎで自生地絶滅なんてのは無かったです。採集圧と言っても誤差ですね。ただ2015年辺りからインドネシア現地人の大規模採集が始まった頃から空気が変わって、Aridarum sp”Jupiter"は壊滅、Bucephalandra sp"Kapuas-2"も数年前から現地人採集と裏の山の伐採の為の道路拡張で川沿いの木々がほぼ切られたのでここも近い内に無くなるでしょう。Kapu2の産地は知っている限りブセの最大級の自生地数がありましたが、採集圧と開発が重なるとわずか数年で消えるとはっきりしました。 マレー半島側もここ数年のパームオイル需要の高まりでクリプトの産地も二桁消えております。私が採集業に入ったころは開墾と言ってもエンジン式の鋸で人力で一本一本切っていたので問題は無かったんですが、最近はブルドーザーとユンボで一気に山を削るのでクリプトの川に大量の土砂が流れ続けます。ある程度の土砂の堆積ならクリプトも上に伸びれば良いですし大雨が降れば土砂は下流に流されましたが、大規模開墾ですので長期間河川に大量の土砂が流れ込む状況です。ここも有名産地で直近2度訪問しましたが、川底に土砂が堆積してクリプトは見当たらずほぼ絶望的ですね。 在りし日の自生地。 「信じられるかい?これ同じ川なんだぜ?」 2017年5月。この木の周りが最上流のパッチ。裸足で探るも何もない。 と言って「採集圧も自然破壊もけしからん」なんて感情は無くて、ブセだと現地の方々の貴重な現金収入元(山間部は本当に本当に仕事がありません)ですし、クリプトとヤシ畑の関連も現地の人に「ワシらクリプトなんたらで飯が食えるんか?」と聞かれれば、答える術はありません。採集方法も開発か自然保護かも地元の方の自治に任せるべきです。まあ現地便には何度か相談は受けて「もう少し綺麗に採集しろ」「現地画像と現地動画は大事だぞ」とアドバイスした身なんで小言は言いたいですがね。 ただ日本側の販売者や業者が「採集圧が~」「自生地が~」と高貴なお言葉を御口にされると「自生地云々言うなら、お前はブリーディングはしないんか?」と後ろからドロップキックを食らわせる事が出来るくらいキレッキレの身体になっていますので、以前書いたこの記事も合わせて読んで頂けると幸いです。 「戦いは数だよ!兄貴ッ!!」
by daigorou11
| 2019-05-04 12:50
| 雑談
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