常湿化栽培の第一歩
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全部Homalomena sp Selamgor-1産。元々はザラ目が目立つ産地ですが栽培下では消えやすい。ここから何株か選抜してエースを育てる予定。
【メリット】
「高さ制限から解放される」
→ケース栽培下の頭がガラスに当たる問題はありません。
「葉の馬背が起きにくい」
→アグラオネマで葉が馬背になるタイプは大抵高湿度の弊害です。
「発色が良くなる」
→特にアグラオネマは深緑と白系のメリハリが出て来ます。
「観察と管理が楽」
→自分が現在常湿栽培に移行しているのはここの部分が大きいです。ケース栽培の場合の蓋を開けるワンアクションが無くなる。ここ大事です。
【デメリット】
「移行時に事故がある」
→ケースの多湿栽培から常湿栽培に移行する時にやらかしやすい。
「土地問題の解決には効果が少ない」
→土地問題から解放されそうですが鉢が大きくなる分、余り効果は無いのが実情。
「冬越しが難しい」
→冬越しの際、エアコン暖房の場合、超低湿度環境になるので上部構造体がグダグダになる。
【移行方法】
1:とりあえず株を新規に導入した段階と植え替え直後に一気に外へ出すと間違いなく萎れます。植え込んで2か月間はケースで様子を見て根が張って成長段階に移行したら、準備しましょう。あと常湿化の時期ですが12月から3月までも止めましょう。日本だとほぼ湿度が40%切るのでこの時期に外に出すのも非常に危ないです。太平洋側だとGW前後、日本海側だと5月後半が頃合いです。単純に「桜の季節が終わってから」でも構いません。7-8月も直射がキツいので窓際に30分出しただけでやらかす場合があります。日中にケースから出すのではなく、なるべく朝方や夕方や寝る前までに出す方が事故に逢う確率は減ります。常湿化にする場合、ケース栽培の用土量だと直ぐに乾燥して根が乾きます。出す前に大きめの鉢(直径15㎝以上)もしくは鉢全体でラップします。両方組み合わせるのもありです。ただラップは鉢内が蒸れて根がやられる場合があるのでそこは頭に入れておいてください。
右:9cm角、ケース栽培用
2:準備段階でケース内の湿度を下げて行きます。今の時期だと密閉状態なら80%から90%(ガラスに水滴が付く)くらいあるはずです。ガラス蓋を1㎝ほど開けて30分ほど様子を見ます。30分で葉先が垂れて来た場合は、霧吹きをしてガラス蓋を閉じれば元に戻ります。大事なのは「こまめに観察できる状況下」で蓋を開けるです。必ず休日の時間がある時かご自宅に居て寝る前の30分等で様子を見てください。湿度差が30%ある段階で一気に外に出すと事故につながります。10%程度の湿度差で外に出すようにしてください。
3:それでもケース外に出した途端、葉っぱが萎れたりします。その場合はたっぷり霧吹きをしてケースに戻せば半日で通常運転に戻ります。萎れが酷い場合は鉢事バケツに水を張り、半日ほど沈めれば大抵元に戻ります。ただここで常湿化を諦めるんじゃなくて、2日後くらいにまた出す時間を短くするなどでどんどん馴らしてやってください。1日30分でも常湿に晒すと植物が慣れて行きます。
4:常湿初期段階は「散歩」のつもりで。駄目ならケースに戻しましょう。初期は1日20分でも良いので常湿に少しずつ馴らしていけば、1週間でかなり移行出来ます。
5:冬場は日本の室内の場合、ほぼやらかします。葉っぱ全落ちからの棒もあり得ます。ただ根と芋は生きていますので水さえ切らさずにいれば、GW前から動き出します。冬やらかして6月過ぎても動きが無い場合はもう死んでいますので諦めましょう。
新たに導入した株が小さい場合や梅雨時なら最初から一気に常湿化出来ますが今回は割愛。四季がある分、日本でも常湿化はハンデがありますし難しいですがうまく行ったときの植物の仕上がり具合はケースでは再現出来ないくらい綺麗に育ってくれます。また異変に気付きやすいですし管理もしやすいです。