BB質問集
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甲斐さんからすれば毎年進化しています。今回は「ビニルパッキング禁止」があったに
しろ、各ブースガラスゲージにLEDは当たり前で展示方法も去年のBBに比べて格段に
進歩しております。初回なんてビニルパッキングを机に並べただけでしたの。
イベントにかぎらずアグラオネマの販売は野採りの右から左ではなくて、養生してからの
鉢植え主体&養生株がトレンドになるはずです。
「ウチのアドバンテージ、とっくに消えちゃったね(震え声)」
会場で良い質問が幾つか頂いたので備忘録的にQ&A形式でまとめて見ました。
Q:自生地の高度と温度について
A:ナイス!な質問でした。アグラの自生地をちゃんと見て来た数はトップクラスを自負して
おります。アグラの自生地ですが下は海抜2mの海沿いから一番高い場所で5-600mと
色々ですが、高度で適正温度が変わるってことはまず無いですね。基本的に高温度が
好きな植物です。
クシャさんが一番良い例ですが、あの子はかなり高い高度でしかも沢沿いなんで日中
温度が上がっても23-4℃くらいでしょう。ただ栽培下だとかなり高い温度が好きですし、
冬場はうんともすんとも動きません。栽培難易度が自生地高度で変わるかどうかと
言われても「ほぼ問題無い、関係無い」ですね。
温度を気にするよりは導入時にしっかり「病気を持って居ない株」「養生が済んだ株」を
選ぶ方にベクトル持って行った方が後々の栽培への影響は大きいです。まあ今後ずっと
ここは一番重要な要素だと思います。
Q:今でも用土単用でアクアソイルですか?
むしろほぼミズゴケ単用です。アクアソイルにかぎらず用土単用だと最初の2ヶ月は凄く
良いんですが、やはり半年くらいで目が詰まって根っこがやられやすいですね。
ミズゴケ単用も「ミスが出にくい」ってだけで、綺麗に大きく育てるにはやはり用土を
用いた方が結果も良いとBB会場でまた心変わりしております。
ただ「水やり」と「用土」ですが、こればっか永遠の課題なので一生「正しい解」なんて
なくて出て来ないと思います。辞めるまで試行錯誤、勉強です。
Q:植え替えが難しい
「タイミング」と「サイズ」をちゃんと考える。野外採集株は落ち着くいて成長フェーズに
入って安定するまで2-3ヶ月は掛かります。その間は水涸れ以外は植え替えない方が
良いです。ひん曲がろうが葉っぱ落ちようが気にせず、成長の勢いを付ける方が大事
です。
夏まっしぐらの時や冬場の植え替えは温室があるならともかく、無加温飼育の場合は
控えるのが賢明です。あとサイズですが、小さい株より大きい株ほどやらかす場合が
多いです。草体が大きいほどダメージが出やすいので、根っこ周りの土を全部洗い
なおして植え替えするんじゃなくて、鉢抜いて用土はある程度、根に付けたまま
植え替えるなど、一工夫で変わって来ます。
Q:下葉を落とさずペンギンにならずに綺麗に育てる方法は?
やっぱり下の根塊から作るしか無いです。落ちやすい種類と落ちにくい種類は確実に
あります。元々アグラオネマは落ちやすい種類ですね(笑)自生地でも背丈60cmほどの
株って大抵上から10枚もあれば葉が残っている方です。光が当たる部分だけ葉が
あればいいのでやはり下葉は落ちるもんです。ペンギンは一時的に水涸れになると
なり易いですが、RGMや紫電なんかは比較的ペンギンに成らないです。筆者温室では
なったケースはまだ見たこと無いです。
先ほどの質問と被るんですが、大きい株って植え替えのダメージが出やすいので
「小さい株と大きい株、どちらが綺麗に育て易い?」と聞かれれば小さい株をオススメ
します。ウチが小型株をオススメするのはこの理由ですね。
Q:てっとり早く、上手くなるには?
「人に聞かない、草に聞け」。ひん曲がろうが下葉落ちようが植え替えず辛抱して1年飼育
飼育すれば色々な景色が見えて来ます。相談するにしても「エア飼育者」に当たっちゃうと
明後日の方向に飛ばされちゃいます。
あと自分のポジションと目標はどこか意識して置いた方が良いでしょう。殖やすのが目的か
綺麗に育てるのが目標か、あと毎日アグラオネマに触れるのが可能か週末しか触れない
のかで管理方法や育成方法は変わって来ます。綺麗に育てて週末しか弄れないのなら
当然植木鉢のサイズは大きめに成りますし、用土はミズゴケでは無くてガチ用土主体に
なって来ます。
ただ「殖やすのが上手い人≠綺麗に育てる人」ですが「綺麗に育てる人=殖やすのも
上手い人」なので、先ずは綺麗に育てる方向でやるのが良いと思います。
Q:採集者的に増殖株がオークションで売られるってどう思っているんですか?
「むしろどんどん売ってくれ」が本音です。アグラオネマは元々丈夫で良く殖えるので、
自ずと土地問題は出て来ます。「もう新しい株を飼うスペースが無いからアグラオネマ
辞めます」よりは売っぱらって、土地と資金を確保して新しい株を購入してください(笑)
そしてアクリウリムに比べて「金の掛かる趣味」です。温室を作れるか作れないか?
がある意味上級飼育者への分岐点ですが、今日びクーラー付けた温室なんて贅沢な
設備です。クーラーを付けるだけなら6畳用で5万円もあれば設置可能ですが、月々の
電気代の予算は各ご家庭の財務省(嫁)の認可が降りづらいです。掛かった電気代だけ
じゃなくて、認可のバーターの上納金も考えればオクは使わない手は無いでしょう。
個人的には何人かのオークション常連さんは「強敵と書いて友と呼ぶ」です。やっぱり
全体の飼育者レベルを上げて行くにはオークションは重要な位置だと思います。