「綺麗なアグラオネマの育て方」その2
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http://www.mpj-aqualife.com/other/ap12.html
アグラオネマ特集が次回組まれるのなら是非、世界のナカモトさんにやって欲しいです。特に例の病気には世界で一番詳しいはず(治せるとは言っていない)ので、個人的には怖いもの見たさで見てみたいです。今回の図鑑部分もさすが年に3000株以上供給しているな!と関心しております。紙に載っている個体は決して「溶けること」はありません。そういえば去年のアクアライフの小特集はkn便の個体紹介が無かったんですがアレはアメリカの陰謀だったんですね。
「綺麗なアグラオネマの育て方」のポイントはいくつかありますが、一番重要なのは
「アグラオネマをちゃんと育てる」
で、身も蓋もない話なんですが個人的にはここでつまづいている方が非常に多いです。
そもそも「温度」「用土」「水やり」の3大要素さえ外してもなんとか育ちますし、それこそ
小指3cmの切れ端からも殖えます。ウチのお客さんで初便のエウレカからやり始めて
最近新規導入がご無沙汰な方が居られますが、理由が飽きたとかお姉ちゃんが出来た
とかじゃなくて土地問題です(笑)増えた株、漏らさず残していたら、もうスペースが無くて
欲しくても入れるに入れらないし、売るのもトレードもショップさんや採り子さんに申し訳
ないって「そんなの気にせず現金化するなりトレードしてくださいっ!!」で久しぶりに
導入して頂きました。この話、掘り下げるとすごく良いネタなんですがね。
今回は「アグラオネマの育て方」でも「アグラオネマの殖やし方」でもありませんが、まずは
形はどうであれ大きく育てないと、話が始まらないんです。
【野採り採集株編】
野生採集個体からでも綺麗に育てる事は可能です。ただ基本的に小さい株じゃないと
難しいです。目安としては葉っぱ4-5枚+ドリルまで。到着状態は良いに越したことは無い。
サイズがデカくなると柄もある程度読めて根っこもしっかり付いている株も出て来ますが
如何せん水を吸う力も吸い上げる力も落ちているので、植込み後2週間以内に下葉が
黄変して落ちる可能性が高いです。残っても葉っぱが垂れるペンギンさんになり易いです。
大体このサイズくらいまでなら、綺麗に育ちます。。当然柄なんて訳判んないです。
マツバラダ・ファミリアでは野生採集個体は先にしっかり育てるが目標で綺麗に育てるは
二の次でやっています。ウチが半分ブリーダー業なので「個体の見極め」がまずは先
なんですね。殖やすのと綺麗に育てるのは後からいくらでも付いて来ます。
【養生済み個体編】
多分テキストの内容ではこちらの需要が大きいはず。買って育てては見たものの、下葉は
落ちているし、茎はひん曲がっているし、かっこ良くない。アグラオネマの場合、そのまま
育てても綺麗に戻ることは決してございません。
「準備と道具」
1:よく切れるカッター。家に転がっている100均のカッターでも大丈夫ですが、出来れば
刃先だけでも折ってください。
2:切り口を止めるボンド。ウチの場合、瞬間接着剤です。用土に植えたままカットする場合、
用土面から1cmほど上を切れば、ボンド止め不要(その程度で溶けるのはアレくらい)。
3:作りなおす個体。これが無いと始まらない。
「実践編」
今回は純粋に「カットして下から作り直す」だけにスポットを当てるので、取り木方式では
ありません。取り木方式の場合、ミズゴケの巻く位置は「用土面上、直巻」で結構です。
で、今回のモデルさん。Black Multiです。見事な葉っぱに見事なパームツリー(笑)
売る時期逸する→放ったらかし→勝手に育つ→葉っぱ落ちるでこんな感じに育った訳。
「そんなアグラ、修正してやるっ!!」
大体用土から5-10mm上をカットします。この辺りカット。
切り口はボンドで止めます。
で、終わり。ね、簡単でしょ?
植え替え無しの場合はそのまま元のケースに戻してあとは待てば、用土からドリルが
出て来ます。早ければ2週間、遅くても3ヶ月でドリルが出てきます。この娘の場合、
根塊がしっかりしているので、1ヶ月もあれば新しいドリルが芽を出してくれると思います。
なおこの娘の場合、問題は「用土が古い」で一昔前のソイル赤玉土混合で用土自体も古い。
カットする際は出来るだけ負担を減らした方が予後は良いので、「作りなおしもしたいし、
用土も換えたい」って良い子の趣味家の皆様はカットだけする→下から竹の子が出てくる
→植え替えでやって頂いた方がロスしにくいです。
甲斐さんは悪い子なので「用土の植え替え」「カット」を二つ同時にやりましたが、トロケロール
キャリアの方がやると間違いなくやらかしますので良い子は真似しないでください。
ちなみにこれくらい小さいとカットしても取り木しても下はロストする可能性があります。
まあとにかく大きく育てるのが先です。