甲斐さんが初期養生で気をつけている4つのこと
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扱いは違いますのであくまで参考程度でお願いします。そもそもネットで美味しい
情報を摘んだ所で自分の飼育スタイルや目的に落としこむのは非常に難しいです。
ここ1年、平均して1回の採集旅行で100株ほど導入していますので年間都合600株
ほど持ち込んでいますが正直ロストした記憶が無いんです。状態を崩す株は当然
出て来ますがリカバリーは可能ですし、成長フェーズに入って溶けただの倒れた
だのは「それどこの国の話?」状態です。殺菌が足りないだの薬が合っていないだの
言われても数扱っている採り子が薬なんざ一切使っていない状況でロスト無し。
現場の認識とユーザー層の認識がどんどんズレて来ている得体の知れない恐怖
みたいなのは感じております。社内秘みたいな部分は晒せませんが一部参考になる
部分に絞ってツラツラ書いてみました。
1:とにかく早く終わらせる。
野採りの場合、採集から国内への持ち込みまで早くで1週間、遅い時は2週間近く
掛かります。1日植え込みが遅れるとダメージも大きくなるので早く植え込みます。
これは国内組にも共通で実店鋪購入&通販にも通じます。買う前に用土や鉢の確保、
土地確保は済ましておいて下さい。ケースは最悪草体が入っていたビニール袋で
代用出来ます。
2:乾きに弱い。
野採り株の場合、乾燥に弱いです。草体自体が弱っているので給水力も保水力も
落ちています。植え込み中に乾かすと後々の立ち上げに手こずる場合があります。
養生株の場合は待機中の乾燥には比較的強いですが、クーラーやストーブでの
機械暖房の場合は乾燥しやすいです。また植込み後の湿度管理は重要です。
発根がしっかりしていても植込み後2-3日は給水が機能しない場合がありますので、
小まめな観察が必要。特に初日は数時間置きに観察が出来る休日に植え込む
必要があります。
3:低照明もしくは無照明
野採り株の場合、植え込み後2日間は低照明もしくは無照明(部屋照明)のみで
観察しています。成長フェーズに入っている株ほど光量を必要としていないのと、
蒸れが怖い為に照度を落としています。
4:枯れた葉っぱはコマメに取る
植え込み前に溶けた葉や黄変した葉はすべて取り除きます。特に溶けた葉は
他の葉に伝染る場合があるので、徹底的に除去します。黄変した葉もどれだけ
眺めても元の緑には戻らないのでこれも除去します。大事なのは除去することよりも
草体をきちんと観察する事です。植え込んだ後もただ水を与えるだけじゃなくて、
草体を観察することが重要です。
こうやって書いて見ると案外基本的なことの方が重要でそこができていない場合が
多いと思います。ここ1年は平均して1回の採集で80株から多くても200株程度
なんで2日間もあれば植え込み完了します。100株程度なら朝成田に到着して
当日夜7時には植え込みが終わっている場合もあります。それでも100株超えると
かなり厳しい。だったら少数お持ち帰りで最初の立ち上げをスムーズに持ち込んだ
方が後々楽だと気付いた今日此の頃。
最後に購入した株をいきなりメインタンクに放り込むのは相当危険。45cmくらいの
水槽流用である程度株が入っているならそう乾燥はしませんが90cm辺りや話題の
ワーディアンにボッチ並の数だと時期的に無茶苦茶乾燥する場合があります。
乾燥以上に業界的にトロケロール対策が無効な状況下で検疫無しで放り込む危険性は
サポートの切れたXPを使い続けるのと大して変わんない。体感温度で今後は「アグラが
殖えすぎて困っちゃう層」と「気が付いたらポツポツロストする層」の二極化になって行くん
だろうが個人的な予測。