アグラオネマの導入方法(仮)
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画像がまだですがテキストのみアップしてみます。
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「アグラを飼いたいけど扱い方がいまいち判らない」等の問い合わせがあるので
初歩的な扱い方についてまとめて見ました。なおアグラオネマだけでなく、
ホマロメナやスキスマにも応用出来ます。現状ウチを含めて各採り子さんも
養生して発根が確認された株をリリースしていますので他の採り子さんでも
使えます。ただ約1名の採り子のアグラは軟腐病という有りがたくないオマケが
ついてくるので、この通りに植え込んでもロストするだけですので、某便に
付きましては参考にしないでください。
【準備】
アグラオネマに限らず、植物は導入後なるべく早く植え込みましょう。届いてから
鉢や用土を用意するのではなく、届く前に準備するのが懸命です。意外にこれが
出来てない方が見受けられます。
【鉢】
プラ鉢、素焼き鉢、ビニル鉢と色々ありますがまずはプラ鉢と素焼き鉢について
説明します。
1:プラ鉢
30cmまで育てるなら3号鉢(9cm)が扱い易い。軽い、単価が安い、コケが
付き難くていいこと尽くめですが見た目に難があります。
2:素焼き鉢
単価が高い、重い、コケが付きやすくて掃除が難しいですが常湿化をするなら
デザイン性の高い素焼き鉢など選択肢が豊富です。栽培的にも程よく蒸発して
鉢内の温度を低く保てます。
【用土】
今回は基本的なミズゴケと用土植えの説明です。特に用土の配合はこれと言った
確定版がありません。各自配合の比率や種類に試行錯誤しておりますので、
過程的なモノです。
1:ミズゴケ
初期導入やある程度までならミズゴケが扱い易いです。また野生採集株の初期養生には
用土より向いていると思います。ただ現状、野生採集株を購入する機会は少ないですね。
メリット
植え込みが楽。半日ほど水に浸しておけば使える。導入直後や取り木後の株の立ち上げ
には扱い易い。
デメリット
入手が多少難。ホームセンターのミズゴケだとクオリティに難有り。ミズゴケはクラス分け
されて居てA(低)~AAAAA(最高)クラスまでありますが、アグラにはAAAクラス以上を
使いたい。AAAクラスだとホームセンターでの取り扱いはほぼ無いので蘭専門店か通販での
購入になります。
肥料成分がほとんど無いので追肥が必要。サトイモ類は根塊の養分で肥料無しでも多少は
育ちますが、ある程度育成が進めば肥料は必要。
2:用土
長期飼育や常湿栽培には用土植え一択。ADAのアクアソイルのアマゾニアが扱い易い。
ソイルは使い古しでも可。但しいずれにしても施肥は必須。
アクアソイルアマゾニア:赤玉土:鹿沼土が2:1:1の配合がお勧め。なおアマゾニア単用でも
ガッツリ育ちます。
メリット
アクアリウムショップなら大抵取り扱い有り。赤玉鹿沼もホームセンターの物で十分です。
ある程度は肥料分があるので施肥に気を使わなくてもしばらくは育ってくれます。
デメリット
単価が多少高い。植え込んだ後に鉢ごと十分に冠水させないと水涸れする場合がある。
「ミズゴケと用土植え、どっちが良いか分からない」場合は用土植えをお勧めします。
現状某便を除いてほとんど養生済み株で発根済です。初期養生は各採り子さんでしっかり
されています。発根の進んだ株なら用土から植えても失敗することはまず無いと思います。
【購入編】
アグラオネマ・ピクタムの入手先ですが現状3つ程あります。
1:ショップからの店頭及び通信販売
ショップからの購入の場合、常時在庫がある店舗は筆者の感覚では10店舗あるかどうかで
かつ在庫が豊富な店となると片手で足りる程度。そもそも近所の熱帯魚屋で「ピクタムの
在庫ありますか?」と聞いても「ピクタムってなんですか?」くらい知名度と普及が遅れて
いるのでまずはネットで取り扱い店舗から探すのが先になります。と言って園芸専門店で
扱いがあるかというとほぼ皆無です。
2:ヤフーオークション
ヤフーオークションも最近は常時10株前後ほど、ピクタムが並ぶので購入先として選択肢に
入いるでしょう。基本増殖株なので感染症対策もクリアしているので、一部ショップよりは信頼が
置けます。
3:コレクター及び趣味家
【植え込み編】
1:用意するもの
鉢、用土、底石、ハサミ、砂利スコップ(あれば)、浅いケース、底石は良く洗って、2-3cm
入れます。養生株の場合、発根し過ぎて鉢に入りきらない場合はカットします。なるべく
若い根は残して古い根をハサミでカットします。
少し根を浮かして隙間に用土を流し込む。
水を張ったケースに鉢ごとドボン。10分ほど漬け込みます。多湿育成株はドボン中でも
乾き易いのでたまに霧吹きをしてやってください。
【立ち上げ編】
各植え込んだ株のケアです。ケースは密閉性が保たれる物ならなんでも大丈夫です。
大抵ガラス水槽はお持ちでしょうから、空いている水槽で結構です。ウチでは容量と扱い
やすさで発泡スチロールを使っています。ケースが工面出来ない場合はビニール袋でも
代替は出来ます。
1:湿度を上げる&照明は少なめで
ガラス蓋で蓋をします。完全に密閉すると意外に熱がこもりやすいので2-4cm角ほど
隙間を作ります。照明は60cmレギュラー水槽なら20w1灯で十分です。
メタルハライドランプの木漏れ日でも問題ないです。植え込んだ直後は1日4時間程度の
照明時間で結構です。
2:蒸れさせない
立ち上げで失敗するとすれば蒸れです。照明ライトをガラス蓋に直置きは止めましょう。
明らかにしおれた場合はバケツに水を張り、鉢ごと沈めて2日ほど様子を見ます。
バケツにドボンは導入直後にしおれた株にも使えます。
3日ほど低照明短時間で様子を見て問題がなければ照明を元に戻します。
60cmレギュラー水槽で20w2灯、1日8時間程度です。液肥は1ヶ月ほどは与えず
最初は規定量の半分程度で様子を見ながらで十分です。逆に与え過ぎて肥料焼けで
根を痛めるとリカバリーは手間が掛かります。
「腰水は必要か?」ですが軟腐病の兼ね合いや作を上げる部分でAZUL的には
「腰水は不要」を薦めます。
植え込みにしろ、常湿化にしろ調子を崩す場合は2日以内です。特に直後は一気に
悪化する場合があるので当日はコマメに観察できるよう休日に作業を行いましょう。
【軟腐病について】
元々はアグラオネマですが挿し木でも殖えますし、1cmに細切れにしても発根して
新芽を出すくらい丈夫な植物です。1年前から「途中から腐って折れる」「2年ほど
飼い込んだアグラが溶ける」「カットしてもリカバリー出来ない」と謎の症状が
出て来ましたが現在「軟腐病」という感染症が原因だとほぼ断定されています。
感染源は某ファームが疑われていますが当のご本人は知らぬ存ぜぬですので、
各趣味家自身での自衛が求められています。
詳しくはこちら
http://echinoagla.exblog.jp/18764804/
現状コイヘルペスやグッピーエイズほどの致命的な感染ではなくきちんとした知識に
基づいて管理すれば、抑え込めるレベルですが安易な飼育環境への導入は感染株の
ロストだけではなく貴重なコレクションも巻き添えでロストする可能性があります。
状態良好の株には感染しませんので業界的に採り子が養生するなり各ショップで
自衛策を用いるなどある程度対策は立てられていますが、「溶ける前に売っちまえ」的な
残念な状況もございますので、各趣味家自身で判断して頂ききちんと自衛して下さい。
Q:用土植えの場合、ソイルは先に水に浸けるのか後から浸けるのか?
A:植え込んだ後に浸ける方が楽です。但しコマメに霧吹きをしてください。
Q:鉢に収まらない長い根はカットしても大丈夫ですか?
A:問題無いです。なるべく良く切れるハサミが良いです。
Q:購入した株が状態よくて直ぐカットして殖やせそうなんですが…
A:野採りの場合はお勧めしません。国内養生済の株なら問題無いと思います。
ただで2ヶ月様子を見てカットする方が無難です。「お前は切るのか?」
と聞かれれば「切らない」ですね。親株に育ててから殖やす方が早い。
Q:植え込みで何か注意する点は?
A:アグラの飼育に限らず変草で調子を落とすとすれば、植え込み直後です。
根っこがしっかりしていても順調に水を吸うまでタイムラグがあります。
「水涸れしてるな」と思ったら躊躇なくバケツにドボンです。
特に植え込み植え替え1日目は、短時間で調子を崩す場合があるので良く
観察が出来るよう休日に植え替えるようお願いします。特に植え替えと
同時に新規ケースも導入する場合は、ケースの癖やコツを掴んで居ないので
気を付けましょう。
【ショップレビュー】